AIアバターを喋らせるツール「SadTalker」を導入した際、多くの人がぶつかる壁があります。それは、生成ボタンを押しても進捗が0%のまま、一歩も進まないという現象です。
私も最新のPC(RTX 5060搭載)で挑戦しましたが、スペックの問題ではなく、実は「中身のないファイル」が原因でした。
1. 症状:フリーズしたような「0%」の沈黙
インストールは無事に終わり、音声データと画像を選んで「Generate」。 しかし、待てど暮らせどコマンドプロンプト(黒い画面)の数字が動きません。エラーメッセージが出るわけでもなく、ただ静かに沈黙している状態です。
「最新のPCなのになぜ?」と焦りますが、これは計算が遅いのではなく、「計算を始めるための準備が整っていない」サインです。
2. 原因:1KBのダミーファイル(空箱)
原因は、インストール時に自動ダウンロードされるはずのモデルファイルが、通信エラーなどで容量わずか1KBの「中身がない状態」で保存されてしまうことにあります。
特にエラーを引き起こしやすいのが、以下の場所にあるファイルです。
場所:
checkpoints/hub/checkpoints/フォルダ内 ファイル名:s3fd-619a316812.pthなど
本来は85MB以上あるはずのファイルですが、これが1KBになっていたら、それは中身のない「ただの箱」です。AIが動こうとしても、肝心のデータが空っぽなので処理を始められなかったのです。

3. 解決策:手動で「本物」に入れ替える
この問題を解決するには、手動で正しいファイルをダウンロードして上書きする必要があります。
- ファイルの検品:
checkpointsフォルダ内のファイルサイズをすべてチェックし、1KBのものを見つける。 - 本物を入手: GitHubの公式配布ページなどから、正しい容量(約85MB〜)の
.pthファイルを直接ダウンロードする。 - 移植(上書き): 1KBのファイルを削除し、ダウンロードした「本物」を同じ場所に配置する。
これだけで、あんなに動かなかった進捗バーが嘘のように動き出します。
胚培養士の視点から:道具の検品は基本
胚培養の現場でも、どんなに高度な技術があっても、使うピペットや培養液の品質に不備があれば成功しません。
AIの世界も同じで、「まずは道具(ファイル)が正しく揃っているか」を自分の目で検品することが、20時間の足止めを回避する最大の近道だと痛感しました。同じところで止まって困っている方の参考になれば幸いです。


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